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五二夢中

2015年09月11日 23:44

二中と同じく東北ブロックの覇者、郡山五中の演奏について書く。

ただしレビューは課題曲のみ、自由曲はカッツアイさせてもらう。

なぜかというと、ブルックナーの作品が私の理解を超えているから。

有名な交響曲くらいは知っているつもりだが、それだってクイズイントロドンで出題されたらお手上げだろう。

「宇宙空間を想起させる壮大なイメージ」などとその特徴が言われているが、言われればたしかにそんな感じという程度の認識しか私にはない。

ブルックナー然りマーラー然りだ。

それでなくても抽象的なのに、そこに宗教色が加わるのだから、私の手に負えるわけがない。

よって自由曲については、『選曲も含め、いかにも五中らしい規律のとれた超絶合唱で、深遠な世界観を見事に表現していた』と、わかったようなわからないようなホニャララ感想にとどめておく。


いつか五中の課題曲を評して、中学生が青春讃歌を歌いあげるというより、大人が青春を回顧しているようなイメージだと書いたことがある。

課題曲の出だしを聴いた時、今年もそれは変わっていないという印象を受けた。

というのも声がとても大人びて聴こえたからである。

そういう発声を指導されているのだろう、そしてそれは合唱歌唱法(こんな言葉があるのかどうか知らないが)に照らし合わせた時、理想とされる声であり歌い方であるに違いない。

今私は、「発声」という言葉を使ったが、一口に発声と言っても素人にはどこまでを発声と呼ぶのか、考えてみると実は何もわかっちゃいないのである。

腹筋に力を入れ横隔膜を上下させて息をコントロールするのも発声なら、口の開け方、舌の動かし方、言葉の発音なども発声の範疇に入るのではないか。

とすれば、五中の声が大人びて聴こえるというのは、広い意味での発声方法が他所とは異なっているということになるのかもしれない。

どうやったらそんな大人声が出せるのか、私にわかるわけはないが、逆に私はどうしてああいう声を目指すのかを訊いてみたい気がする。 (往復ビンタの一つや二つは覚悟している 笑)

宗教曲には最適最良な声であることは多くの人が認めるところだろう。

ただ、Nコンの課題曲には、どうもその大人びた声が気になるという人も多いのではないだろうか。

声が大人びているから課題曲には不向きだとか、そういった単純な話ではない。

私自身、決して明るくはない五中が歌う課題曲がけっこう気に入っているのも事実。

五中のプレゼントを何度も何度も聴きこんだ。

五中の大人びた声そのものは決して悪いものではない。 (高いところから失礼します)

それは出だしの女声を聴けばわかる。

「知らないという言葉の意味間違えていたんだ~知らない人のこといつの間にか嫌いと言っていたよ♪」

なんという慈愛に満ちた声だろう、こんな声で歌う中学生がいるなんて信じられない。

大感激した私は、五中はこの声でいいのかもしれないと、確信に近い思いを抱いたのである。

「知らないという」と「言葉の意味間違えていたんだ」を、切らずにワンフレーズとして歌っているのは、レガートを得意とする五中らしい。

ちなみに二中はブレスを入れている。

そのせいもあるのかもしれない、演奏時間を比べてみると、二中の方が五中より数秒長い。

私は意外な気がした。

ポップ感ある二中の方が当然速いだろうと考えていたからである。

男声が主旋律を引き継ぐと、少し遅れてソプラノが、例えようのない美しい声音を響かせ始める。

そのハイトーンは得も言われぬ心地よさがあり、聞き惚れるとはまさにこのこと、私の心はその天性の美声に鷲掴みされた。

「ひ~とのこと~♪」

ああ、ソプフェチには堪らない!(笑)

ウィーン少年合唱団のボーイソプラノが霞んで見えてしまうほど美しい五中ガールズソプラノ。

明鏡止水を思わせる一点の曇もないこの絶品ソプラノに、心打たれない人がいるのだろうか。

「知らないことは怖いから♪」

力強いアルトの低音はいかにも五中サウンドという感じだ。

「自分のことまで嫌わないで♪」

べた褒め状態の私もここはいささか気になった。

アルトはもっとハッキリ歯切れよく、「嫌わないで!」と歌った方がいいんじゃないか。

「で」がかき消されて、気弱な感じがした。

この部分は二中が上手い。 (またまた高いとこからすみません)

「なりたくーない」「言えなくーて」

ここも違和感があった。 (ほんと申し訳ない)

「く」の音が不自然で外人が喋ってるような感じ。

「なりたくゥない」「言えなくゥって」

合唱ではこんな風に発音するのが正解、というのであればおかしな日本語だなと思う。

fightの終わり部分「花を咲かせる~」で、「花ウオウオ咲かせる~」と歌った団体がいくつかあって、私にはそれが耳障りだったという話はこれまで何度か書いてきた。

woを意識し過ぎた不自然な言葉はとても違和感がある。

日本語の歌は、合唱独特の発語で歌われる言葉でなく、できるだけ自然な言葉で聴きたいと思う。

2番の「難問解決プログラムかと思っていたけれど~♪」も気になった。

「いたけれど~」を「いたけれどーお」と引っ張りすぎ。

低音が強調されすぎて怖い感じさえする。 (百叩きを承知で書いてます)

「ゆっくり開けたら良いんだ~♪」

「ゆっくり」の感情表現は見事で、思いが伝わってくるようだ。

間奏中のハーモニーはあたかも目の前に天国が広がっているかのよう。

「いま君のいる世界が 辛くて泣きそうでも~♪」

ここを聴くたび、目頭が熱くなる。

卓越した表現力は旋律の美しさを際立たせた。

五中の声は淋しさも慰めも倍増させる。

もう感動の極みというほかない。

「世界nが~」ネイティブな鼻濁音はやはり美しい。

「辛くて」の表現力は東北コンクール随一だった。

ハッキリ言おう、二中より上手いぞ!(言っちゃった 笑)


さあ気持ちを切り替えて最終場面に突入だ。

「ひとりぼっちになって気付いた~♪」

涙を拭って前向きになろうとする様子が全員合唱から伝わってくる。

「ひとりぼっちにさせないから大丈夫だよ~♪」

二中は学級委員長はじめ数名のソプが力強く歌っている印象があるが、五中ソプはやや大人しい。

映像からは何人で高音パートを歌っているかわからないが、もう少し人数を増やして良いのではと思った。

「強くなりたい~♪」

一気に静寂が訪れたような場面転換は見事。

二中と較べ、アルトの「つ・よ・く」が弱かったようにも思うが、静かな低音は確実に歌の余韻を残した。


課題曲にわかりやすいドラマティックな演奏を望む人が多いのも事実だろう。

しかしその前提には完成されたハーモニーがあってこそである。

課題曲はドラマティックな方がいいと思うのは私がド素人だからである。

しかし今回五中のプレゼントをレビューしてみて、ハーモニーの完成度に加え、よりポップ感を演出しようと例年以上に歌に表情をつけてきたような印象があった。

一部をのぞきそのほとんどが奏功しているよう私には思えたが、全国大会までの間、もっともっと磨きをかけてくるのは必定、そうなったらそうなったで今度は二中が心配になってくるのである。

二中、五中はどっちが金でもかまわない、なーんていうのはもちろん建前で、本音のところでは二中に勝ってもらわないと困るのだ。

二中、五中の演奏を録音し、車中、事故るのを覚悟でウットリ聴き入っているが、課題曲プレゼントに限って言えば、私の耳では後に聴いた学校の方がよりいい演奏のように思えてくる。

鑑賞眼がないと言われればそれまでだが、甲乙付け難いというのが正直なところである。


ムチ打ちの刑を覚悟して書くと、

五中は今のままの声でいい、というより今の声を大事にして欲しい。

ただもっと自然な発語を心がけた方がいいように思う。

課題曲の表現方法についてはビート感も含めかなり研究された形跡が随所に見受けられた。

この柔軟性は高く評価したい。

低音パートの迫力ある重厚な音はたしかに魅力的だが、もう少し抑え気味の方がいいと思う箇所があった。

また至宝のようなソプラノも、時に引きつったような高音が聴こえてくることがあり、今後の各員の研鑽に期待したい。

演奏中の印象も審査に影響するので、女子はもう少し明るい表情で楽しげに歌った方が良い。
(天使ちゃんを見習って)

来年はブルックナーの宗教曲とか、私の理解を超える難曲を選曲しないこと。

以上が私のスカタン講評である。


最後に、刑の執行を逃れるためにも一言書いておきたい。

もし曲との相性のようなものがあるとすれば、今回はドンピシャだったのではないか。

私が聴いたここ数年の五中課題曲の中では、断トツ、最高の出来栄えと言っても過言ではない。


ご愛読感謝します。





コメント

  1. | |

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  2. 世寡虫 | URL | dKmeQNGg

    Re:五二夢中

    はじめましてヒミツさま

    たしかに彼女の声は素晴らしいですよね。
    あの滑らかなソプラノは、宗教曲はもちろん、童謡唱歌を歌っても人の心に染み入るのではないでしょうか。
    貴重な音源をお持ちだとか、素晴らしいですね。
    今後も大いに期待できる逸材ですから、お宝になるまで大事になさってくださいね。
    お返事が遅くなって申し訳ありませんでした。
    またのご投稿お待ちしております。

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