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すぐ美味しい~すごく美味しい♪

2016年05月22日 16:41

根城中学校の「美しき碧きドナウ」が素晴らしかったという話の続き。

YouTubeの開設以来、様々な動画を鑑賞し保存してきたが、私の中で間違いなく消したくない動画ベスト3に入る作品だと思っている。

昭和62年の演奏ということは、根城中学がNコン4連覇という大記録達成の最中に歌われたということで、どうりで上手いはずである。

当時の歌い方というのは素人耳には現在とはずいぶん違っているように聴こえる。

ビブラートのない声はストレートな感情がそのまま表現されているようで、現在の中学生合唱に慣れた耳にはとても新鮮であり、時には神経質ともとれる過敏な感性がそのまま歌声に載せられているようにも思う。

腫れ物に触るという言葉通り、時に神経質なほど繊細になり、またある時はすべてを吹っ切って豪快に歌い上げる、この二面性というのか、鮮やかなコントラストがいかにも多感な中学生を連想させる。

中学生らしい合唱である一方、背伸びしているというのとは違う、彼女らの大人びた声にも驚いた。

豪快に歌い上げることがあっても、それは決して野放図でもあけっぴろげでもなく、節度を弁え歌うところが、この学校の品格や矜持を感じさせる最大の理由なのかもしれない。

さて、前から不思議なのが、「美しき青きドナウ」と「美しく青きドナウ」はどちらが正しいのかということ。

たぶんどちらでも構わないのだろうけれど、私の知る限り、「美しき青き」と表記される場合が多いように思う。

私個人は、形容詞が連なった「美しき青き」は違和感があるし、だいいち歌詞の最後が「とこしえに美しく青きドナウの歌を」となっているわけだから、「美しく青き」の方が正解のような気がする。

変な喩えで恐縮だが、私なら「美しき賢きオリーブ」よりも「美しく賢きオリーブ」と書きたい。

「すごい美しい」も、今はさほど違和感なく聞こえるが、私は「すごく美しい」の方が座りが良いように思う。

昔流行ったCMに、すぐ美味しい~すごく美味しい~♪ というのがあったが、「すごい美味しい」とは歌ってない。

もうひとつ、「青きドナウ」か「碧きドナウ」か「蒼きドナウ」かというのもあるが、これもその人の趣味、センスの問題かもしれない。

ここは素直に「美しき青きドナウ」としておく。

さて、根城中の「ドナウ」であるが、親しくしている合唱オタクの方から、二中や五中が演奏したら驚異的な「ドナウ」になるのではないかという意見をいただき、私自身そう夢想していたこともあって、そのことについて考えてみることにした。

妄想だから笑わないで読んで欲しいのだが、もし二中がNコン自由曲に「ドナウ」を選曲したらという話である。

いくら私でもあり得ない話だということはわかっている。

絶対あり得ない選曲だが、万が一、いや、億が一にも実現したら、大方の予想を裏切ってかなり高い評価を受けそうな気がしたのだ。

ある意味Nコンのエポックメイキングな自由曲になるのではないだろうか。

私の記憶だと、かつて(といってもここ何年かではあるが)、自由曲に「ドナウ」や「ハレルヤ」など超通俗曲を演奏した学校はないと思うが、考えてみれば実にもったいない話である。

演奏技術を争うには不向きな曲だから演奏しないというのもあろう。

また、手垢のついた通俗曲じゃなくても他にたくさん名曲があるし、せっかくだからこの際背伸びして難曲に挑戦したいというのもわかる。

しかし私は思うのだ。

聴衆が知りすぎている「ドナウ」や「ハレルヤ」で人を感動させるのは至難の業だということをわかっているから演奏しないのではないか。

聴衆ひとりひとりがその曲のイメージを心に抱いて演奏に耳を傾けるわけだから、少しでもクセがあると途端に拒絶され、中学生には無理だと烙印を押されてしまうかもしれないし、考えようによっては非常に勇気ある挑戦ともいえる。

しかしそのぶん、聴衆の心を掴むことが出来れば、大喝采が待っていることは火を見るより明らかだ。

想像してみて欲しい、二中の演奏するハレルヤコーラスを。

ハレルヤ!ハレルヤ!ハレルヤ!ハレルヤ! ハレ~ル~ヤ~ ♪

文字通り鳥肌が立つような演奏で感極まった観客は、王様じゃなくても立ち上がってしまうに違いない。

会場はスタンディングオベーション間違いなしで、その模様は7時のニュースで大きく取り上げられ、後日NHKスペシャルが特集を組むだろう。

いやその前に、歴史秘話ヒストリアで、郡山の音楽都市としての歴史を紐解く番組も考えられる。

もちろんその時最初に紹介されるのが二中で、番組冒頭井上あさひがこんなリポートをするはずだ。

「私は今、先日行われたNHK全国学校音楽コンクールで金賞を受賞した郡山市立郡山第二中学校に来ています。
ここは合唱の名門校、強豪校として広く知られ、人気実力ともに日本一を誇る音楽都市郡山を代表する中学校です。
(校舎に目を遣りながら)あっ、歌声が聞こえて来ますね、練習中なんでしょうか?ちょっとお邪魔してみましょう。」

セカオワよろしく音楽室を訪ねるのだ。

今回は郡山の音楽環境が主眼だから原発関連の話はなし。

数人の部員にこれまでの音楽経験を尋ね、ピアノを弾ける部員、ヴァイオリンを弾ける部員が何人いるか調査し、合唱部のほとんどが何らかの楽器を経験していることがわかって井上あさひが驚愕するのである。

それだけではなく父母や兄弟姉妹までもが音楽愛好者だという事実にあさひは言葉を失い、楽都郡山おそるべしとリポートを締めくくるのだ。(笑)

閑話休題。

「ハレルヤ」は通俗曲だけに人は理屈なしに感動できるから、難解で技巧を凝らした演奏を聴かされるよりはるかに聴衆の興奮は大きい。

それは「ドナウ」でも同じこと。

自分の中に曲のイメージが出来上がっているとはいえ、改めて名門中学合唱団による正調かつ清澄な(シャレではない)「美しき青きドナウ」を聴かされると、飛び上がらんばかりの衝撃に近い感動があるに違いない。

ハレ~ル~ヤ~♪ 同様に終わりの、とこしえに美しく青きドナウの歌を~♪ の素晴らしさは、何度聴いても涙がこぼれそうになる。

とこしえに♪に続くソプラノの、美しく青き♪の発語の明瞭さと美しさ、アルトの青き♪が重なる部分はまさに鳥肌ものだ。

アルトのメロディーがこれまた素晴らしい。

それにしても三十年も前の中学生はこんな声が出せていたのかと驚くばかりである。

発声の方法も今とは違っていたのかもしれない。

何かこう精神的自立みたいなものを感じさせる中学生とは思えぬ大人びた声で、力強くも優しく、凛としていながら脆さも感じさせる、あの時代の中学生の鋭敏な感受性が歌声から伝わってくるようだった。

私は今更ながら中学生合唱に惹かれる理由がこの演奏に全て含まれていることに気付いた。

もちろん手放しで褒めているわけではなく、こう演奏した方が良かったのではと思うことも何箇所かあった。

しかし歌声がそれらを帳消しにした。

ウイーン少年合唱団による「An der schonen blauen Donau」はコンサートでもCDでも聴いているが、根城中「美しき碧きドナウ」は本家に勝るとも劣らない日本語版の傑作であると断言できる。

これは通俗曲と呼ぶには適当でないかもしれないが、かつてNコン高校部門の課題曲だった「ともしびを高くかかげて」も、一流の中学生合唱で聴いてみたいものだ。

先日作曲者である冨田勲が亡くなったと報道があったが、だからというわけではないが、歌詞の内容からも熊本地震で途方に暮れる被災者を励ますことが出来るのではないかと思ったのである。

熊本にも熊大附中や昨年の銅賞校帯山中などいい合唱団が多い。

彼らの歌声が人々を慰める日もそう遠くないうちに訪れそうな気がしている。

Nコンの規定で、過去の課題曲を自由曲に選曲してはならないと規定されているのならともかく、せっかく名曲が宝の山のごとくあるのだから歌わない手はない。

技巧を凝らした超難曲に中学生が全力で挑むことの意義を否定するつもりはないが、眉間にしわを寄せて聴くような楽曲は少なくともNコンでは聴きたいとは思わない。

難曲を不完全に仕上げてくるのなら、いっそのこと思いっきりベタな曲を選曲し、その代わりこれ以上ないというくらい完璧に歌いあげて欲しいと思う。

知らない曲を超絶技巧で聴かされると体が震えるくらい感動を覚えることがあるが、よく知ってる曲を中学生のスーパー合唱で聴かされると胸にこみ上げてくるものがあり自然と涙がこぼれる。

もしNコンで大真面目に「ドナウ」を歌う二中を目の当たりにした聴衆はあっけにとられ、空いた口が塞がらないといった状態になるだろう。

しかしその表情も演奏が進むにつれ変わっていくに違いない。

見たことのないドナウの流れが眼前に広がるからである。

青い空と大河、鳥のさえずりや風までもが忠実に再現されるはずだ。

今は昔の青きドナウも、彼らの歌声のなかではあくまで美しく青きドナウなのである。

スタンディングオベーション必至だ。

オーストリア第二の国歌と呼ばれる「An der schonen blauen Donau」はもともと合唱曲だったという話は有名な話。

通俗曲と決めつけるにはもったいなさ過ぎる、名合唱曲である。

「美しき青きドナウ」「ハレルヤ」「ともしびを高くかかげて」

私が二中の超絶合唱で聴いてみたい三大通俗合唱曲であるが、贅沢を言えば、「渡り鳥」「落葉松」「海はなかった」なんていうのも聴いてみたい。
   




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